日本エアコミューター 高知ファイナルフライトルポ

2006年9月29日 高知−福岡 最後の飛翔


 エアーニッポンのファイナルフライトから早3年。まだまだ先だと考えていた日本エアコミューター(JAC)のYS−11が引退する瞬間がついにやってきた。2006年9月末、唯一の純国産機として日本エアコミューターで活躍し続けてきたYS−11のファイナルデーである。

 YS−11の引退は私の航空ファン人生において、香港啓徳機場の廃港と並ぶ大イベントと言う事は既にエアーニッポンのファイナルフライト時に述べているが、あの時は「まだJACがある、まだJACに残っている、まだJACで乗れる」と言うある意味安心感があった。しかし、今回は正真正銘、国内路線からの完全引退である。

 エアーニッポンからの引退後、JACにおいても引退が続いた。伊丹から消え、出雲から消え、与論、沖永良部、屋久島から消え、そして2006年4月には種子島から撤退し鹿児島県の離島路線からも消えた。最後に残ったのは福岡から徳島、松山、高知の3路線と、JACの本拠地鹿児島を結ぶ路線の計4路線のみ。2006年は、YSに1度でも多く乗るべく、そしてその活躍を目に焼き付けるべくこれらの空港に足繁く通い、何度も利用した。そして6月下旬、JACから正式に最終便の旅程が発表された。その内容は予想を裏切るもので、最終日前日に松山、高知から引退。そして翌30日、従来の定期便の時間をねじ曲げて徳島、福岡から引退し、最後に鹿児島と沖永良部を往復するというものだった。JACとしての初のYS就航路線と言うことで沖永良部への復活が決まったそうだが、正直このファイナルには納得しがたいものがあった。やはり、最後まで残っていた定期路線で花道を迎えて欲しかったのだ。

 とは言え、ここまで没頭できた愛機YS−11の引退である。やはり最終便に乗りたい。9月29日のお帰り確約の予約の入る日からトライするのは定石である。しかし、ファイナル便の大半はお帰り確約席はブロックされていた様子であり、自力で取れたのは29日の高知ファイナルと30日の鹿児島−福岡往復のみ。沖永良部はキャンセル待ちを入れるのがやっとであった。7月30日の9時30分になった瞬間トライしても空席なしのまさに瞬殺だった。しかも状況を聞いてみるとグローバルクラブ会員だけで100人超え、全体では500人を超えるキャンセル待ちとのこと。もはや絶望と思っていたのだが、何と直前の9月28日の夕方、ファイナルの往復、JAC3807&3806便の予約が確保できた旨メールが届いた。これほど幸せな事はない。迷うことなく速攻で発券し、最後のフライトに備えた。YSのおかげでグローバルクラブ会員、さらに今年はサファイア資格も達成していたのだが、その甲斐があった。

 JACのYS引退は全5路線から立て続けにファイナルに突入する怒濤のラッシュであり、エアーニッポンの千歳−女満別のみの引退と比べると規模が違う。そして、正真正銘日本の民間機として搭乗できるラストチャンスである。ファイナルラッシュのスタートは29日の松山→福岡ファイナル、続いて高知→福岡ファイナルである。予約できたのは高知→福岡のファイナルのため、昼過ぎに高知入り。高知空港への最後のYSの着陸を待ちかまえる。平日の夕方ではあるが少なくないギャラリー。夕暮れ迫る17時過ぎ、福岡からの最後のYS便はRW32に着陸、スポットインした。

 ゲートへ向かうと、高知空港ビルディングから最後の飛翔となるYSへの感謝の気持ちとしてささやかながらセレモニーが行われた。中村機長と上村先任CAに花束贈呈が行われた後、いよいよ搭乗。名残を惜しむようにJA8768の機内へ進み、横断幕と地上スタッフに見送られながらスポットアウト。いつもならインターセクションするタキシーウェイを今日は端まで進み、RW14から離陸。日没直前の高知の街を見ながら、福岡へと向かった。ドリンク、うちわ、搭乗証明書など特殊なフライトにもかかわらずてきぱきとサービスが行われた。そうするうちに九州上空にさしかかり、ベルトサインも点灯。福岡空港のRW16から着陸。着陸後の上村先任CAアナウンスで、この便の4人のクルーも、今日のこのフライトがYS−11のラストフライトであると知らされ、乗客も乗員も、この空間を共有する全員が同じ思いであろうと思うと目頭が熱くなった。

 いよいよ明日はラストデー。MD−81に乗り込み鹿児島へと移動した。

高知空港のカウンターにて&高知への最後のアプローチ&夕暮れのタキシング

セレモニー&横断幕&スタンバイ中のYS

機内へ

ドリンクサービス&搭乗証明配布中&うちわも配布

ちょっとミニサイズのうちわ&夜空に浮かび上がる主翼

福岡に到着&手を振る中村機長


30日の沖永良部→鹿児島最終便「日本エアコミューターYS−11 ファイナルフライトルポ」公開中


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